vol.1 「非営利」への誤解
2009年12月 4日
所長 半田 雅典
高知県ボランティア・NPOセンターが誕生して10周年を迎えた。開設した1999年当時は、「海外の紛争地に行っていて大変ですね」とPKOと間違えられたりしたし、見積書に「NOPセンター」と書かれたりもした。
あれから10年。随分と「NPO」という言葉は浸透してきたように思う。「NPOとは民間非営利組織」と言葉の意味も分かる人も増えてきた。
ただ、いまだに「NPOの人は、どうやって食べているのですか?」「NPOなのに、対価をもらっていいのですか?」と言われることは少なくない。それは「非営利」という言葉を「収益を上げてはいけない」と勘違いをしているからである。だから、「対価をもらってはいけない」「儲けてはいけない」「給料も出ない」と思われているのだ。
僕たちと関わりの深いNPOのスタッフからも、この非営利への誤解について「なかなか理解されない」「事業や資金稼ぎをしにくい」というボヤキも聞き、苦しんでいることが分かる。
非営利とは、「収益が上がっても、利益を構成員に分配しない」「利益は、組織の運営経費や事業経費に充てていく」という意味である。僕は、NPOを「ミッション(活動目的)志向の非営利組織」と説明している。つまり、地域福祉や環境保全、まちづくりなど、組織が掲げる社会的な目的を優先して考え、行動するのがNPOで「いくら収益が上がる事業であっても、目的に合わなければその事業をしない選択をする」逆に「目的に合っている事業であれば、収益が上がらない事業でも実施する」組織であるということだ。
ただし、目的に向かって活動するためには資金がいる。ある程度の規模になると専従の有給職員を配置することも必要になる。だから、その資金を得るために、目的に合う事業で対価を得る工夫をしたり、会費や寄附、助成金を得るための努力をするのである。
ここまで浸透してきた「NPO」に替わる言葉を使っても混乱につながるので、正しい理解が広がるよう説明をしていくしかない。そして、何より理解を広げるためには、皆さんの身近なところで当たり前にNPOが存在し、NPOによるサービスや活動が一般化されるようになることだ。
10年後、センター20周年を迎える頃には、「NPOサービスを利用しゆう」「NPOの会員になった」さらに学生から「NPOへの就職が決まりました」なんて言葉が聞かれるようになる社会に。












