Vol.3 市民発の思い
2010年2月 9日
副会長 木下 くみ子
私が所属する高知SGG善意通訳クラブは、10数年前、それまで行っていた外国人への観光案内所窓口に関する委託事業を別組織に委ね、新しい自主事業に取り組むことにした。年間予算は会費収入のみとなり大幅に減少したが、高知のよさを知ってもらえる活動として、直接外国人観光客に高知県の文化や歴史を伝える観光地の通訳ガイドをしたかったのである。
当初は手弁当で持ちだしも多く、ボランティアといえどもプロ並の専門的知識も必要とされるこの活動に、去ってゆく会員も少なくなかった。しかし現在、会員数はそのときの倍近くに増え、少額ではあるがガイド交通費を組織から支給できるようになった。会費のほかに補助金や助成金、寄付金、自主事業収入などでやりくりしながら、当初の高知城案内をはじめとした独自のガイド事業を継続して行っている。
NPOの特質は、個人・団体が関心のある社会的課題を自ら選び、その課題に集中して取り組むことができる機動性と多様性にある。たとえ、資金面で軟弱でも、NPO(組織)はボランティア(個人)によって支えられているのだから、志のある仲間と課題に取り組んでいけば道は開かれる、というのが私自身の経験からの思いである。
1998年のNPO法施行から11年が経過した。当初は、NPOという言葉そのものもなじみがなく、社会的にもボランティアとNPOとの関係もそれほど認識されていなかったが、今では国も地方自治体も、NPOの存在を「新しい公共の担い手」「官と民の協働におけるパートナー」と認識しはじめた。
高知県でも、この間、NPOは飛躍的に増加した。NPO法人数は240を超え、ピッピネットに登録している任意団体は約300となった。
これらの組織のすべてが社会的課題に対して満足のいく活動ができているかどうかは分からないが、何か社会の役に立ちたいという市民発の思いをあらわすものである。人材や資金の確保などの課題はあるとしても、高知のNPOはこの間、その社会的地位を確立し、活動の場を広げてきたといえる。
NPOは無償、有償に関わらず、また法人格の有無に関わらず、市民発の思いを大切に社会に意義のある活動を継続していくことで、社会から認知され、信頼を得ることができる。そうしたNPOの力が社会を支える底力となり、そのことによってNPOの可能性はより広がるのである。












