Vol.6 決算主義の眼

2010年5月20日

高知県ボランティア・NPOセンター
所長  間 章

 毎年5月頃になると、「決算」「総会」という言葉が各所から聞こえてくるようになる。また、日経新聞等においては、5月末頃から上場企業の決算公告が次々と行われるようにもなる。この時期は、企業や行政、社会福祉法人、NPOといった各種組織が前1年間の活動をまとめ、関係者の方々に事業報告や決算書を通じて活動の成果や適正さを報告する1年間で最も重要な時期でもある。

 一般的に、企業会計においては、財務諸表は企業の一年間の経営成績や期末における財政状態を利害関係者に報告するために作成される。つまり、企業が利益を獲得するために、株主等から集めた資金をどのように投資し、実際どれだけの成果を上げているのかを財務諸表を通じて報告することである。資金を投資した側(株主等)から見れば、その財務諸表を見て、「投資の成果」という「利益」に注目して、投資の継続の有無を判定する(もちろん、企業のCSRなども無視できないが・・・)。そのため、「投資の成果」の見込めない企業は、株主が企業から離れ、あるいは、投資を考えていた株主が投資を諦め、資金調達が困難となってくる。

 一方、NPOといった非営利組織等においては、会計報告の目的は、現状では、一年間に適正に資金が使用されたことを報告するために作成されている感がある。このことも大切な役割ではあるが、NPOの社会的使命を考えると、市民の期待に応えるためにどれだけの責任を果たしたかを報告することが重要となってくる。つまり、NPOが社会の課題解決のために、会員や市民から集めた資金やボランティア等の市民参加を通じて、どれだけの課題解決を行ってきたかを報告することである。NPOに寄付や参加を考えている市民から見れば、市民の期待に積極的に応えるNPOに寄付を投じ、あるいは参加したくなるものである。

 現時点では、NPOは社会一般的に「なんとなくいい活動をしている団体」と思われているため、その活動成果についても「いいことをしているから」と具体の中身を見るまでは関心が高くないように思える。しかし、全国では、法人数が40,000法人に迫り、県内でも250法人を超えるため、これからNPOに寄付や参加を考えている市民にとっては、どの団体がいいのか比較できないでいる人も多いように思える。

 今後は、NPO自身も決算主義の眼を持ち、自らの活動を積極的に市民に広報して、市民の寄付や参加の促進を図ることが重要である。何より、決算主義の眼を持つことで、自らの活動を振り返り、組織や活動を強化していくことができるはずである。

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